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蔵の街 川越へ
30年ぶりの川越に来ました。
学生のころ、『川越蔵造り町並み保存』のコンペで現地調査をして以来です。何人かの仲間と図面を分担してなんとか期限に間に合わせて…結果は佳作でした。
今回は現地調査ではなく、OMソーラー協会の会議の合間を縫っての散策です。
以前の町並みは、ひっそりとしていて観光客といってもそれほどは見られず、蔵のはがれ落ちた漆喰にむしろ風情を感じたことが思い浮かびます。
明治26年【川越大火】の際に焼け残った大沢家の蔵造りは、川越商人に防火・耐震・構造の重要性を認識させ、多くの店舗造りの基礎になったとのことです。重要文化財にも指定されている大沢家の蔵造りを手本にして、川越商人達は商品を守るために競って大沢家の蔵造りを真似たことから、蔵造りの町並みになったそうです。
火災の延焼を防ぐために、現代の車が往来可能な程の幅広な前面道路で都市計画がされています。ファサードの漆喰で塗り固められた格子は火災時に火の圧力を分散し、一本おきに上部が短くなっているのは炎を上部から抜く役目をしているとのことです。また、壁の厚さは30センチもあり、内部にまで火の手が廻るにはかなりの時間がかかることでしょう。
別の資料館を見学したら、室(むろ)と呼ばれる地下室が設けられていました。火災の時には室に商品を投げ込み守ったようです。この頃は人命よりも商品に価値があったかのように感じました。今の建築では考えられません。現在では人命を尊重し、耐震構造・免震構造・制震構造といった倒れない建物を各社競って研究開発しています。
しかしハウスメーカーの様に単なる生産性をあげるためのシステムだけでは、個性のある快適な家造りとは思えません。
環境や日照、風によって、住み方や住まい方が変わると考えています。その場所だからこそ出来た「川越の蔵造りの建物」があると思います。
私たちは金物と集成材とパネルとで、優れた性能を兼ね備えたVOLKSHAUS-Aというシステムを提供することができます。建築の中でも「住宅」はシステムだけでなく、住むと言う原則の中で快適性を問われます。
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