昭和町家
Showa Machiya昭和町家
Standard Houseの運動!
住まい手と建築家と工務店が一緒になって、全国各地で、かつての町家や民家のように、簡素で美しいスタンダードな家をつくる運動がはじまっています。
小澤建築工房では、山梨の地域環境や気候にあった家として「昭和町家(※参照 → 建築ギャラリー「昭和町家Ⅱ」)」という名前で取り組みを始めています。
昭和町家とは? ─「昭和町家の概要」
余分なものはいらない、
機能をちゃんと備えた簡素な美しい家がほしい
かつての日本には、町家や民家があり、今も各地に、わずかに残されています。
それらは、まるでキノコが群生するように建てられていました。 それらはまた、美しい町並み景観をかたちづくり、簡素ではあるけれど、その地域らしい固有の表情を持っていました。
それはまさに、日本のスタンダードハウスといえるものでした。そんな住まいをもう一度生もうという建築運動が、ここに始まりました。
長い必要と、長い好みと、長い寿命の家
今の住宅は、建てたと時が一番きれいで、年月を重ねると、だんだんと貧相になります。
ちょうどそれは色あせたプラスチックの食器のようなもので、結構つらいものがあります。
私たちは、年月に耐え、いつまでも愛着に応えてくれる家をつくりたいと思います。
私たちはそれを、長い必要と、長い好みと、長い寿命に応えてくれる家、と括りました。
スタンダードハウスの基本です。
町家や民家は、素晴らしい知恵を持っています。 スタンダードハウスは新しい考え方と技術を駆使して、これからの住宅を実現する取り組みです。
スタンダードというと、「並」と考えられがちですが、決して「並」を意味するものではなく、建築が備えるべきクオリティの高さを表しており、クオリティを標準的な価格にすること、それがスタンダードハウスの運動です。
経済性は大事な要素であり、私たちは予算がきびしくても、住まいにとってここが肝心、というところをまず大切にして、不要なものを削ぎ落とし、シンプル・イズ・ベストを目指します。
私たちは、そんな「品格」を持った住宅を生み出したいのです。五つの原則(アントニン・レーモンドの「5つの原則」)
アントニン・レーモンド(Antonin Raymond, 1888年-1976年、建築家)はスタンダードハウスで大切にすべきこととして、「五つの原則(プリンシプル)」を挙げました。昭和町家の考え方も基本は同じです。
1 【 自然(Nature) 】
ナチュラルではなく、ネーチャー。大文字の自然。太陽とか、風とか、緑とか、大きな自然力を家に求めるべき。建築材料は親しみやすい、小文字の自然の素材がいい。
2 【 単純(Simple) 】
西洋人のいう装飾とは反対に、日本にあるのは、必要が生み出した美である。すべてを取り去ったとき、残る本質と原理が、日本の家の魅力の源である。
3 【 直截(Direct) 】
簡素な、飾りがなくて明快な家。自然は人工よりも美しい。簡素と軽快は複雑より美しい。 節約は浪費よりも美しい結果を生む。
4 【 正直(Honest) 】
着ぶくれした家ではなくて、正直で、律義で、さっぱりした家。構造自体が仕上げであり、同時に唯一の飾り。キノコや木のように、大地から生まれた家。
5 【 経済(Economy) 】
経済性とは、決して安くつくることではない。何事もムダにしないということだ。 値段の高い器具だから「高級」ではない。本質を見極めることが、ほんとうの高級。