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合板ができるまで
合板とは、原木を大根のかつらむきのように薄く剥いだもの(単板:ベニヤといいます)を乾燥させ、奇数枚の単板を繊維方向(木目方向)が交差するように積み重ね、接着剤を塗布して貼りあわせて1枚の板にしたものを言います。その歴史は紀元前1500年前のエジプトにさかのぼると言われ、木机や整理棚など、私たちの身近なものにもさまざまに使われてきました。
フォルクスAでは、再生可能なあり方を重視する考えから、針葉樹(主として北海道産のからまつ)からつくられる合板を採用しています。
一口に合板と言っても、その種類は多彩です。JASでは、普通合板・難燃合板・防炎合板・コンクリート型枠用合板・構造用合板など、それぞれの用途に応じて必要な品質や材質基準、試験の方法などを決めています。このうち、フォルクスAでは、「構造用合板」を採用しています。
合板には、利用価値の高い大きな面が得られること(合板のような面材は、無垢板でも集成材でも、なかなか得られません)、ほかの板材に比べて強度の平均値が高く、面内で割裂しにくくなるなど、多くの利点がありますが、構造用合板の大きな特徴は、「面としての力に耐える」ことにあります。普通合板などと比べても、その差は明らかです。この性質は、繊維方向に連続した単板が接着剤を挟んでサンドイッチされていること、隣り合う単板が直交し合って拘束していること、製造時の圧縮による変形を受けず、木材の持つ本来の密度を保っていることなどによります。
フォルクスAに使用されている構造用合板には、主に「α−オレフィン系無水マレイン酸樹脂接着剤」が用いられています。これは、食品容器用合板の5項目検査(フェノール、ホルムアルデヒド、重金属、蒸発残留物、過マンガン酸カリウム消費量)にも合格し、お弁当の木箱となる合板などに使用されている接着剤で、ホルムアルデヒドなどの有害物質を含んでいません。ホルマリン臭を嫌う博物館、美術館、倉庫の内装などの合板にも多用されている、安全性の高い接着剤です。
また、床や屋根、外壁用合板といった、水がかりが心配される箇所や、高温になる場所などには、耐久性・耐水性により優れた「アルカリフェノール樹脂接着剤」という接着剤を採用しています。成分中にホルムアルデヒドを微量に含んでいますが、日射、降水、急激な温度変化といった過酷な気象条件のもとでも長時間にわたって性能を維持することができます。先の集成材のページでも紹介しているレゾルシノール樹脂系接着剤同様、JASが定めるホルムアルデヒド放散量区分において、最も平均値・最大値の低いF★★★★(※1)に属しています。
(※1) JASによるホルムアルデヒド放散量の区分が、平均値0.3mg/L以下、最大値0.4mg/L以下のもの。用途の目安としては、ベビーダンスや食器棚など、特にその安全性に配慮が必要な家具、または気密性の比較的高い建築物など。
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