パッシブソーラー
Passive Solarパッシブソーラー
パッシブソーラーの効果
どの住宅メーカーのカタログにも「快適」という言葉が用いられています。うんざりするほど氾濫している、といっていい言葉なのかもしれません。しかし、何がどう快適なのか、ということについては、ほとんど何も語っていないことに気づきます。パッシブソーラーシステムでは、快適さの指標を定めて、「だから心地いいのだ」ということがわかるようになっています。
■【パッシブソーラーシステムの効果その1】 建物全体を暖める。
まず、部屋と部屋の温度差を問題にしました。最近でこそいくつかの部屋にエアコンが入るようになりましたが、まだ日本の家の多くは一室暖房にとどまっています。しかも間欠暖房(つけたり、消したり)です。高齢者が脳卒中発作を引き起こす場所は、まずトイレ、ついで玄関、廊下、洗面所、浴室といわれています。温風吹き出し式暖房によって、皮膚の表面だけ温められていて、寒いトイレなどにいくと、急激な温度変化にさらされ、変調をきたしてしまうからです。
パッシブソーラーシステムの家は、建物全体を暖房の対象としています。部屋と部屋の温度差が少なく、暖かさを常能的に保つのが、パッシブソーラーシステムの暖房法です。しかもその熱源は、太陽の恵みなのです。
■【パッシブソーラーシステムの効果その2】「頭寒足熱」の低温暖房。
次に、部屋の上下温度差を問題にしました。温風吹き出し式の暖房器などでは、設置する場所によって、床上5センチのことろと天井下との差は、五分の一から二分の一にもなります。頭ばかりポカポカして、不快感が伴う暖房は、「頭寒足熱」ならぬ「足冷頭熱」に起因するのです。
パッシブソーラーシステムの床暖房は、1階と2階の室温の差があまりありません。また、室温に対し床表面温度が高くなり、まさに「頭寒足熱」です。しかも、足の裏から温める床暖房です。身体の血流をよくし、身体全体を温めてくれます。全体として「低温暖房」という点がOMソーラーの床暖房の特徴ですが、それは、外界との温度変化に緩やかに応えてくれる条件となっています。
しかし住まいの心地よさは、温熱環境だけではありません。ひろびろ、のびのびした空間も、重要な要素です。
パッシブソーラーシステムの家は、部屋同士の自由なつながりや、おおきな気宇を育てる吹き抜け空間を自在に設計できます。しかも大きな空間の弱点である「冬に寒い」という点を、パッシブソーラーシステムが助けてくれるのです。
■【パッシブソーラーシステムの効果その3】わが家から、地球へ。
石油や石炭などの使用によって排出されるCO2は、地球温暖化への影響が最も大きいとされ ています。
便利で快適な生活は、誰もが望むことですが、エネルギー消費を増大させ、ジレン マを感じています。
パッシブソーラーシステムの特徴は、太陽熱と空気を利用することで、“住宅の心地よさが、エネルギー消費・CO2排出の削減と結びついて実現”されることです。
住宅が必要とする至適温度は、それほど高いものではありません。低レベルといってよいものに石油や電気などの高度なエネルギーを湯水のように消費しているこ とは問題ではないでしょうか。
太陽の恵みを活用して暮らすことは、私たちに、日常生活の中で、地球に対しての眼差しをもつことを意識させ、心身ともに豊かさを実感させてもくれるのです。。